ちょっと損して生きてもいいじゃない
私は若いとき「抜け目なく振る舞って、ぜったいに社会の勝ち組になる!」
とがんばっていました。
でも、勝ち続けるなんて不可能な話。山は登れば下るようにできているし、
張りつめた糸はゆるめなければ切れてしまいます。
案の定、私は体をこわして山をころげ落ち、そのことを自覚しました。
ボロボロになった自分を抱きしめて、
「これからはソン・トクにこだわらないで、心穏やかな生き方をしよう」
と心から反省しました。
そのとき思いついたのが「ちょっとソンして生きよう」ということ。
すると、それから気軽に人に譲れるようになりました。
また過度の緊張から解き放たれて、心がラクになりました。
人に譲ることは、けして負けることではなかったんですね。
むしろ逆です。人に与えて、以前よりも好かれるようになって
幸せを味わいました。私はとってもトクをしたんです。